2010年9月12日日曜日

『劣等感は学習期間』 海に突き落とされた。

どもりなどの劣等感は気にしない。


『劣等感は学習期間』

小学校に入学すると、私はある学習を始めていたのである。『劣等感』という勉強をしていたのだ。劣等感は劣等感を生み、日増しに拡大していく性質を持っている。

それでも母は、常に笑っていた。

私自身、学校が嫌いでなかったのは不思議である。よく学校は休んでいたけれども体調のせいで休んでいたのであって、体調がいいときは学校には行っていた。授業を出ずに校庭の鯉にエサをやったり、ウサギに草をやったりして遊んでいることもしばしばあった。

そんな中、父が見かねてか私をてんま船で私を海に連れて行った。海の沖へ沖へと舟を進め島の300mほど沖で船を止めた。海には石灰岩の洞窟だらけの島が二つあり、島と島の距離は2kmほどある。いずれも国の天然記念物に指定されている美しい島だ。

一方の島の沖で突然、わたしを突き落としたのだ。かなずちの私は恐怖でいっぱいだったが泳ぐしかなかった。「向こうの島の洞窟まで泳げ!」父はそれだけを言ったのだ。

10歳の私にとって2k先の島は無限の距離だ。その時の私は父を鬼としか思わなかった。

いや、まさしく鬼である。気がついたら何とか泳いでいた。無限の時間が過ぎ、なんとか島の洞窟にたどり着いたのだ。洞窟周辺で泳ぐことは今でも凍りつくような恐怖を感じるのだが、その時は不思議と恐怖心はなかった。後で聞くと3時間以上泳いでいたらしい。

これが父の愛情だったのだ。嘔吐や下痢がなおった。給食が普通に食べれるようになったのである。これが父の愛情だったのだ。どもりも治った。

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